<イベントレポート>
浅草流松尾神楽「湯立神楽奉納」
2月11日(日)建国記念日、三重町の松尾公民館特設会場にて開催されました。
当日の「湯立神楽」の様子が2月15日付けの大分合同新聞に掲載されましたので記事を添付致します。概要は記事をご覧下さい。
特派員レポートとしては記事に載ってない現場の様子をレポート致します。
日本の伝統的な神楽の形式のひとつで、日本全国&大分県内でも何ヵ所かで舞われている。「湯立神楽(ゆだてかぐら/ゆたてかぐら)」とは~Wikipedia引用
三重町では上田原御手洗神社の霜月祭で3年に1度奉納される。
釜で湯を煮えたぎらせ、その湯を用いて神事を執り行い、無病息災や五穀豊穣などを願ったり、その年の吉兆を占う神事の総称である。別名を「湯神楽(ゆかぐら)」とも言う。
同じ湯立神楽でも神社によってかなり違いがあり、
・玉串に見立てた枝葉を浸して湯を撒くもの
・素手で煮え湯を払うようにして撒くもの
・ご神体を湯につけるもの
・釜湯の中に米やお神酒などを入れるもの
・海辺の神社では釜湯に海水を使うところ
などがある。
いずれも撒かれた湯(その飛沫)を浴びると無病息災になるとされる。
また、神社によっては釜湯を飲むと無病息災になるとされているところもあり、今回の松尾神社では参拝者に釜湯が振舞われ皆さん飲んでいた。
15時頃、現地に到着すると多くの参拝者に見守られて既に子供神楽が舞われていた
神楽舞台の隣には神棚が設けられ、神棚の前の2つの竈に湯立釜が据えられて、さらに釜の周りの四方に注連(しめ)を張り、四隅と釜の正面に計5本の御幣が立てられていた。
15時20分~湯立釜の湯が沸くのを確認して湯立神事が始まる。
宮司が熊笹にて「湯霊取り」の儀式を行う。
神楽座、獅子舞などの代表者の玉串奉典。
16時20分~奉納 獅子舞
16時35分~奉納 子供神楽
17時25分~高野秀蔵楽長による奉納 神楽(綱伐)
17時45分~湯立神楽を舞う5人の楽員が冷水による禊で身を清める。
18時~餅撒き
18時10分~竈(かまど)と湯立釜の様子。
竈の前には湯を沸かしたオキが真っ赤になっている。
18時30分~辺りが暗くなり、いよいよ湯立神楽が始まる。
狩衣姿の手引きが御幣で湯霊(ゆだま)取りを行う。
ゆたて荒神が登場し「湯改め」を行う。
白衣に素手・素足の湯師2人が登場。
湯師2人がテフリササで湯を撒き散らす。
この湯がかかると魔除け、疫病除け、長寿になると言われて参詣者は喜んでかけて貰う。
この間、大太鼓、小太鼓、鉦、横笛の4人の囃方による囃子が続けられている。
最後に湯師2人が釜に入り、手引き、ゆたて荒神と共に祈りを捧げて湯立神楽が終わる。
使われたテフリササは参詣者に配られて家の魔除けに飾られる。湯立神楽の大役を終えた湯師の笑顔が寒空の中で何とも清々しかった。
19時15分~湯立神楽の全ての神事の最後は大盤振る舞いの餅撒きで締められ、星が輝く真っ暗な夜空に大きな歓声があがっていた。
以上
K・Nojiri